工藤栄一・もう一つの影の軍団
影の軍団で工藤栄一監督がTVシリーズで唯一担当した「悪魔が呼んだ奥州路」から個人的に必殺シリーズを思わせるような画を。第一話では混乱の波に影が立ち上がる切欠、二話では同じ伊賀者同士で道を違えた故の戦いが描かれ本格的に物語が動き出すのはこの回から。
「映像の刺客」、「光と影の魔術師」とも呼ばれた画作りの魅力が少しでも伝われば。
映画の影の軍団も必殺シリーズで工藤監督が手掛けた回を思わせる画作りが出てきます。
画面の両端に衝立を置いたり襖を中途半端に開けたりしてその隙間から見せるのもまた。
千葉さんと言えば重心を落として刀を肩の辺りで構えるスタイル。一作目は大小の刀を上下に両手で握って背中越しに突いたり二刀流にスイッチしたりして独特でしたね。影の軍団は侍と違う忍者が背負った宿命への苦悩や一見ステレオタイプな悪役にも心中思う所があったりして中々深いものがあります。最近某動画サイトで一作目の殺陣を集めた動画で主題歌「Gの祈り」が殺陣に流れると何だかだれる、みたいな意見があったんですが自分としては好きなんですよね。闘いの中で命を落とした影の忍者達への鎮魂歌のように聞こえてくると言いますか。本日、ここまで。