大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

私的プロレス名勝負・ライガーVS小原

1993年11月20日後楽園ホール、当時平成維震軍の度重なる乱入行為に異を唱えた獣神サンダー・ライガー。その流れを受けて維震軍のメンバーとのシングルマッチ連戦が組まれます。今回語らせていただくのはその二戦目、対小原道由戦。本当はこれを書く前に試合を見るべきなのですがビデオ時代に視聴したきりでYouTubeヤフオクでも映像やビデオが見つかりませんでした。なので完全に記憶の断片で書く事をご容赦願います。

試合の最中突如小原がライガーのマスクに手をかけて破ります。それに対して当然ライガーは激怒。場外マットを剥がして投げ捨てパワーボム、エプロンへのブレーンバスターとエグい攻撃。小原もジャンピングネックブリーカーで返すもライガーは低空ドロップキックからの足四の字固めとまたエグい返し。最後は隙をついて会場に響く「小原ァっ!」の叫びとともに顔面への掌打一発。喰らった小原はスーっと大の字に倒れ失神、そこを強引にエビに固めて3カウント。試合後も無意味なマスク剥ぎに対してライガーの怒りは収まらなかったとか。

90年代、新日本プロレスのビデオシリーズに「徹底検証」と題して試合とその試合をしたライガーとタイガー服部レフェリー(当時)と田中リングアナ(当時)のコメンタリーでもう一度見ていくという内容です。その中でまあライガーがまるで他人事のように「ひでー事するな〜」とか「頭にきて覚えてないですね(笑)」とコメントしていました。色んな選手のシリーズがあって好きでしたね。ライガーは常々マスクマンの宿命としてマスクを狙われます(それを逆手に鬼神ライガーが生まれましたが)、しかしその怒りで暴走する姿もまた魅力の一つ。選手以外の活動でも他団体に門戸を開いたりジュニアでヘビー級に挑戦するなど今では普通の事を切り開いた功績は本当に大きいと思います。もうライガーの引退から一年経とうとしているんですね、早いなあ。本日、ここまで。

(文中敬称略)


獣神サンダー・ライガ - Jushin Thunder Liger - YouTube