大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

キイハンター・アレなサブタイトル検証その2

さて、前回の続きです。第105話からカラー放送になったキイハンター。メンバーも国際警察からバックアップ役として第92話から壇俊介(宮内洋)と第104話から小田切慎二(中丸忠雄)が登場、セミレギュラーながらどちらも違う存在感を見せてくれます(この二人は後にGメン'75で島谷刑事、結城警視正として出演)。

三年目になるとメンバーが揃う事はほとんどなく、一人が事件に赴き残り2~3人のメンバーが連絡役や後から支援や救援に向かうという流れの回が目立ちます。特にボス・黒木の欠席が多く、アネゴこと啓子が実質リーダー格になり回によっては村岡室長と二人で事件について話し合う事もありました。では、サブタイトルに行きましょう。

第110話「首のない紳士の殺人計画」

第111話「成金泥棒たちの国際会議」

第113話「殺人鬼と仲よし大作戦」

第117話「東京―ホノルル 豚をかついで珍道中」

第118話「踊れ!墓場で幽霊ワルツ」

第120話「宝石泥棒裸で御免なさい」

第127話「殺し屋どもの死亡広告クラブ」

第133話「私の首を返して頂たい」

第135話「吸血昆虫島上空異常あり」

第137話「葬式にせ札強盗団」

第141話「殺し屋大統領お手やわらかに」

第142話「ハレンチ部隊全員集合」

第147話「暗殺団と強盗団 スキーで珍道中」

第149話「それ行け!がい骨強盗団」

第152話「おー!新婚ハレンチ追跡旅行」

第166話「ヨーイ・ドン!赤頭巾で殺人ごっこ

第171話「お化け怪獣大戦争

第173話「首のない男と女の戦争」

第178話「南の国へヌードで新婚珍道中」

第185話「真昼の決戦!すれすれ愚連隊」

第190話「キイハンター浮気団地で大暴れ」

第191話「死刑台三歩前 私を抱いて!」

第198話「がんばれ!小便小僧危機一髪」

とりあえず200話付近まで紹介。第109話の「俺は西部の殺し屋キッド」には子役時代の真田広之(下沢宏之名義)が、第110話は現代劇には珍しい里見浩太朗がゲスト出演。この翌年に水戸黄門の助さんこと佐々木助三郎杉良太郎から引き継ぎ、1974年には大江戸捜査網の主演をこれまた杉良太郎から引き継いでTV時代劇スターとしての地位を固めていきます。第117話は当時としては画期的だったと思われる海外ロケ。海外旅行が一般に浸透するには1980年代まで時間が必要になります。それゆえこの頃同じTBSの「兼高かおる世界の旅」や日本テレビの「すばらしい世界旅行」が人気だったり、海外はまだまだ一般家庭には未知の世界。当時の予算はどれくらいだったのかと考えると恐ろしくなりますが、逆にそれだけの事をできる勢いがキイハンターにはあったという証明になるのかもしれません。

この頃になるとアクション、ハードボイルド、ミステリー、サスペンス、ホラー、コメディ、西部劇、サイコロGメンなどとある程度の色分けが定まり、みんなの知っている「キイハンター」になったのではないのでしょうか。それでは、最後の一年ちょっとのサブタイトル一覧たちにもう少しだけお付き合いを願います。

本日、ここまで。

(文中敬称略)