大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

サンライズいろいろ

はい、どうも。今回はプロレスの入場曲について一つ。スタン・ハンセンという偉大なプロレスラーをご存知でしょうか?「ブレーキの壊れたダンプカー」、「不沈艦」などと呼ばれた一撃必殺のウエスタンラリアットで70年代から2000年代初めまで活躍しました。そんなハンセンの初来日は全日本プロレス。そしてニューヨークでのある事件を経て新日本プロレスへ参戦します。新日本時代の入場曲が、この「ウエスタンラリアート」。

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そして新日本と全日本の外国人選手の引き抜き戦争が激化するさなか、1981年に全日本へ電撃移籍。そこでテーマ曲に選ばれたのがこのスペクトラムの「サンライズ」。しかし入場用に編集されていてボーカルをカットしてイントロからいきなり間奏に繋げたものが使われて、後のカバーバージョンではボーカルの部分を後からメロオケにして構成されています。

90年代のとんねるずのバラエティ番組の乱闘シーンでよく流れていたので、あの「デーデデデーデデーデーデデーデ〜」というパワフルなイントロの曲…と言っても文字ではピンとこないかもしれないので下のひたすらウエスタンラリアットを決める下の動画で思い出していただければ幸いです。

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そしてこれが原曲。ご存知ではない方のために説明しますとスペクトラムキャンディーズのバックバンド、MMP(ミュージック・メイツ・プレイヤーズ)のメンバーを中心に結成され、ギター、ベース、ドラム、ピアノ、パーカッションにホーンセクション三人が加わった当時としては珍しい編成のバンドで、個人的には後の米米CLUB東京スカパラダイスオーケストラにもしかして影響を与えているのでは…と勝手に思っています。

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そしてこれは実際の歌番組での映像。活動期間が79年から81年と短いながらもいまだに根強いファンの方がおられるとか。

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こちらはアルバムバージョン。先ほど紹介した物はシングルカットされたバージョンで、こちらのアルバムバージョンは曲の時間がシングルバージョンの2倍もある大作。

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そんなスペクトラムはTV時代劇の名作シリーズ「影の軍団」の一作目のBGMの演奏を担当しています。これは音楽担当の渡辺茂樹さんの弟さんがスペクトラムのベース担当の渡辺直樹さんなので、その繋がりではないかと思います。

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スペクトラムは81年に惜しまれつつ解散しますが、十年後の91年にメンバーが再集結して同窓会的な代表曲のリミックスアルバムを制作。そして数年前にタワーレコード限定でスペクトラムの全アルバムがリマスタリングとボーナストラックを追加されて発売されてました。多分もう手に入りづらいのかな?しかし配信もされています。

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さて、ここまでつらつらと書いてきましたがラリアットというのは投げ縄の事だそうです。アメフト出身のハンセン、アメフトでは反則になる腕タックルを元に編み出したのが伝家の宝刀ウエスタンラリアットになります。そして新日本に初来日した際の宣伝で当時ニューヨークの帝王と呼ばれたブルーノ・サンマルチノの首をウエスタンラリアットでへし折った男…と紹介されましたが、実際はハンセンがサンマルチノへのボディスラムを失敗して首を怪我をさせたのが真相らしく、話を持ったのはあの東スポだったとか(笑)。しかし日本で長い間闘い、時に日本に一時拠点をおき、奥さんも日本人のハンセン。日本を愛し、日本人に一番愛された外国人レスラーはスタン・ハンセンなのではないかと思ったところで、

本日、ここまで。