大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

影同心・怒りを背負って殺し節

必殺シリーズのパクリ作品と言われる「影同心」。個人的にはパクリと言われようが立派な別物と思ってます。必殺も仕置屋稼業でフォーマットが固まる少し前なので作る上で意識するにもまだ自由度が高い時期だったのでは、とも思います。個人的に好きなのが殺しで被害者の遺品を使ってダイレクトに恨みを叩きつける回です。
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 13話「大奥(秘)殺し節」

タイトル通り大奥ネタなので被害者の遺髪を束ねた物で直に締め上げます。この作品で締め上げるときに使われる「ヒューン、ボキッ!」という効果音は妙に耳に残ります。

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15話「三三九度の殺し節」

この回は金属の簪を使用。被害者は落命していないのですが、騙されて女郎に売られてしまいます。この時代ではある意味社会的に死んでいるのと同じなのでは。
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19話「色の地獄は殺し節」

この回は出刃包丁を使用。勘平が信頼を寄せていた上司の裏の顔を知り、色事の最中布団越しに突き立てました。出刃包丁は誤解から切りつけてきた被害者が持っていた物。
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27話「赤いしごきの殺し節」

右近のかっての許嫁が騙されて身代を潰され、自らも食い物にされて命を絶ちます。何もしてやれなかった右近は唯一つ残った彼女のしごきで仇を締め上げ、去り際死体に唾を吐きます。
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変わって東映時代劇にしては珍しく劇中SAAが出てきます。東映は大体フリントロックのプロップが出てくる印象なんですけどね。敵から勘平が奪い取って相手に全弾撃ち込んでます。シビリアンより長いように見えるのでアーティラリーでしょうか?
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最後に宿直をどんぶり酒とたくあん一本丸かじりで過ごす豪快な勘平を。たくあんを口に咥えて出てきます(笑)。

余談ですが去年サントラを買ってまだ在庫があるのかなと先日Amazonを覗いたらとんでもない値段になっていてビビりました(笑)。いい意味で技にこだわらず、いかに仕留めるかが影同心の魅力の一つではないかと思います。被害者の「恨み」に寄り添うのが必殺シリーズなら「怒り」を代わりに背負うのが影同心なのかなと考えたりもしますね。もう少し色々とどこかで見れる機会があればなあ。本日、ここまで。