大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

天下ご免と江戸日記の空想

里見浩太朗さんの代表作、「長七郎江戸日記」と「長七郎天下ご免!」。制作会社や放送局の違いもあって別作品的な扱いになっています。個人的には東映伝統の娯楽活劇を踏襲した天下ご免とラストに被害者を想いながら一人江戸の町を往き哀愁を感じさせる江戸日記はどちらも甲乙つけがたい味を感じます。ここから個人的な空想ですが天下ご免の最終回、長七郎は尾張大納言に上方への視察を頼まれ旅に出ます。その帰り故郷の駿河へ立ち寄りそこで三宅宅兵衛と田村右平次に再会、ほぼ宅兵衛に拝み倒される形で二人を伴い江戸へ向かいます(江戸日記序盤の宅兵衛は長七郎に江戸城へ戻り政に携わってほしい旨を呟いています)。そして江戸へ戻った所に夢楽堂を巻き込んだ何かのトラブルに遭遇、夢楽堂の面々を救うものの素性を知られ余計なトラブルを回避するためと新しい住居として夢楽堂の離れへ住む事に...と脳内で考えております。天下ご免の最終回、ヒロインのおみつは自分が嫁ぐときは長七郎に必ず花嫁衣装を着た姿を見てほしいと約束しています。なのでもしかしたら江戸日記の物語の合間に長七郎は時折日本橋の濱乃屋に立ち寄り弁当を買い、そしておみつが嫁ぐ日には約束を果たし、祝言を影から見守っていたのではないかと思えば交わらない物語がひょっとして...と空想が楽しくなります。今回、ここまで。

 


https://youtu.be/_YSxOjz0BaE