大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

好きな一本 その3・太陽にほえろ 2回目

はい、どうも。この間BSで「太陽にほえろ!」の特番があったのでまた個人的に好きな話を語ってみようかと思います。今回選んだのは第402話の

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という回です。

もちろん主役は…

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殿下こと島公之刑事。殿下ファンならば事件で知り合った教師・三好恵子との所謂「ある」シリーズ(この二人がメインの回は「ある○○」というサブタイトルが付く)を浮かべるのでしょうが、今回はこれです。

話の起こりは、スニーカーとの待ち合わせに向かう最中ひったくりに遭遇した殿下。通りかかったタクシーに乗って行き着いた先は工業地帯の廃工場。そこを歩くうち殿下に向かっていきなり無数の銃弾が襲う…という展開。

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・殿下、孤立無援!

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とりあえずあちこち歩くにはあまりにも無機質かつ不気味な廃工場。歩いているといきなり銃弾が!
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殿下を狙う銃口の正体はひったくりとひったくられた側とタクシーの運転手。ライフルやM1カービンを得物にバイク、ジープ、大型トラックを駆使して殿下を追い回します。
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ところが一人だけ撃たずにひたすらカメラを回しているのに殿下は違和感を感じ…
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この殿下を襲う三人を演じるのはJAC(現・JAE)の俳優さんですね。オープニングにもジャパンアクションクラブのクレジットがあります。

・殿下、絶体絶命!

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電話ボックスを見つけて必死の思いで駆け込んだものの、配線が切られていて連絡手段も皆無。
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ここまで全編けたたましく銃声が響く回は大都会や西部警察ならまだしも太陽にほえろでは珍しいのではないでしょうか。
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とにかく土埃の上がる中を走り、殿下は追われます。

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殿下の血と泥にまみれた姿。初見の時に私は最後を知っているのに殉職回かと思いました。

・全ては謎のまま

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どんどん追いつめられる中とっさに見つけたクレーンに逃げ込み、レーンの上でカメラを回していた一人に向かって動かすと…
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スキを見つけて下にいる一人の足を撃ち抜く!もう一人は殿下の行方を少ない手がかりを元にに追っていた一課の仲間たちが押さえて正に危機一髪。
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スニーカーに救急車を呼ばせてボロボロの殿下を抱きしめるスコッチ。思えば一課に来て最初にスコッチを理解してくれたメンバーは殿下。またそんなスコッチが唯一別れに涙したメンバーが殿下でした。殿下には友情と親愛の印としてなのか、趣味のサボテンを送っているのが別の回で解ります。
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そして傷の癒えた殿下が自分を襲った三人の取調の様子を聞くとよく解らないクライアントからスナップムービーの撮影を頼まれただけでそれ以外は何も解らないとのこと。この数年前に本物のスナップムービーとの触れ込みの映画「スナッフ」が公開されています。こういうモヤッとした濁し方はこの時期では珍しいかもしれません。過去には「箱根の人」という政界・財界に絶大な力を持つフィクサーが何度か出てきてボスも手が出ない、という事がありましたが…
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最後は、

ボス「実は俺も映画を撮ってみたいと思ってな」

殿下「僕はいいです、勘弁してください(笑)」

のやり取りで終わりとなります。

このあと第406話「島刑事よ、さようなら」とまた死を予感させるようなサブタイトルが続いて、第414話「島刑事よ、永遠に」で本当に帰らぬ人となります。その後釜にやってきたのが二枚目半でリボルバーではなくセミオートの拳銃を使い、足ではなく車を駆使する新世代のドック刑事。殿下との別れは太陽にほえろにとって一つの区切りだったのかもしれないなと思いつつ…

 

本日、ここまで。


殿下 追想のテーマ 井上堯之バンド - YouTube