大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

伝説とお話をしたお話

はい、どうも。TwitterのTLでフォロワーさんが「MGC 奇跡の終焉」という本を購入したツイートを見かけたところ、以前ニューMGC福岡限定で購入した「MGCをつくった男 総括編」という本を購入したことを思いだしHPに飛んでみると、案の定数量限定ながら販売していました。WEBではなく直接電話注文とあったので昼休み電話してみると、少しの空白ののち

「もしもし」

「…はい」

「あの、新しいMGCの本を」

「ああ、注文ね。住所を教えてもらえますか?」

〜以下個人情報のやり取り〜

「はい。秋田とは珍しい、お幾つですか?」

「✕✕歳(伏せさせてください笑)です」

「ほう、お若い。あなたの年齢でモデルガンとは。どこでこの本を知られましたか?」

「ネットです」

電話の向こうの声は年齢を感じるものの、張りと力が伝わってくる。もしやと思い一言、

「あの、もしかして本を書かれた神保さんですか?」

「はい、神保です」

やはり。時には一瞬のカン働きに賭けてみるものだ。

「そうでしたか、私が今こうしてモデルガンを楽しむことができるのは神保さんのおかげだと思っています。MGCは私にとって伝説なんです。私がこの趣味に目覚めた頃は西部警察や大都会のようなドラマはもうありませんでしたから」

「そうでしょうねえ。先に出た方はお持ちですか?」

「はい、持ってます」

「ありがとうございます。あなたのような方がいて本当にこの本を書いて良かった。私は今年91になるんですが、残りの時間を使って自分のこれまでやってきたことを何とか形に遺しておきたくて少しづつ時間をかけてこの本を書き上げたんです。この本に書いてある事は全て嘘偽りのない真実です」

「はい、届くのを楽しみにしています」

「では振り込みを確認次第送りますから」

「こちらもなるべく早く振り込みますので」

「はい、よろしくお願いします」

「ありがとうございました」

「失礼します」

(記憶を必死にたぐって絞り出した文章なのでいい違いや順番違いなどが多々あります)

電話の切れる音。そうか、電話の向こうは著者ご本人だったのか。正に生きる伝説とほんの数分とはいえさっきまで会話をしたのかと思うと気持ちの高揚が収まらない。伝聞の通りまさに「豪の者」。

そんなやり取りでした。振り込んだ翌々日に届いた本を読むと海外旅行が難しい時代の実銃メーカーへの取材の話、MGCの思い出の寄稿や地方への出店のエピソードに映画やドラマに法律と裁判の話など様々で本当に深い一冊であっという間に読み終わりました。取り扱い先のニューMGC福岡店にはこれを書いている時点ではまだ在庫があるので私なんぞのこの話でもし興味を持っていただければこちらへ。

www.newmgc.com

銃を持てないこの国で、銃を好きになり、手元に銃の形をした何がを持てる幸せがあるのは先人がひたすらに道を切り拓いてくれた事の感謝を噛み締めたところで

本日、ここまで。神保さんはジャズ好きと聞いたのでジャズのスタンダードナンバーといえばこれですね。

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