大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

追悼・福本先生のカラミ

「五万回斬られた男」こと名斬られ役、福本清三さんが世を去られました。
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大ワルと最後まで残っている斬られ役を「カラミ 」と呼ぶそうで、今回は松平右近事件帳から福本さんが最後までカラミで残った二本を選んで書いてみます。
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第一話「薮太郎参上!」より。この回、おそらく福本さんは二回斬られています。一度目は屋内画面手前から奥の右近に向かって叫びながらダッシュで突っ込むも返り討ちに合い凄いスピードで倒れるも、梁の影で姿が潰されて見えません。そしていつの間にか殺陣に混じっていると右近が振り向き様に刀を二度振るうともんどりうって背中からバタリ。正に見事の一言ですね。

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続いて第四話「怪盗暗闇吉三」より。ここでも最後の二人に残って斬りかかって返り討ちにあうと...

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代名詞の海老反り!残念ながら永井秀明さんに隠れて見えませんが(笑)。そこから力が抜けるようにスッと倒れます。録画したディスクに入っている話を探した結果この二本が目立つかなと思い選びました。

これは未確認なのですが、数年前たまたま通販番組で里見浩太朗さんが愛用者のご意見での紹介映像でおそらく一分足らずほど長七郎に扮して殺陣を披露しているのですがそのカラミが福本さんでした。なぜそこだけ確証が持てるかと言うと、海老反りがあったからです。

今日も何の気なしに再放送の東映TV時代劇を見るとそこにはいつものように悪役の福本さんが。亡くなられてもまた会えるので寂しさ、悲しさを不思議と感じないんですよね...ありがとうございました、合掌。