大河道 雷刃の雑想録

「評論家の言うことを信じてはいけない。何故なら評論家が讃えられて彫像が作られた事など一度もないのだから」 ジャン・シベリウス(作曲家)

極私的・水木一郎さんの好きな歌を語る

はい、どうも。今日(2022年12月12日)の水木一郎さんの訃報に驚きました。と言いますか驚き半分と「やはりか…」という思い。少し前ににBSで毎週放映されているアニソンの番組に結果的には最後の出演をされた回。車椅子の上でおそらく今出せる全力で歌ったであろう「マジンガーZ」、聴いてて辛かったです。

バイトで貯めたお金を持って初めて秋葉原に行ったときのこと。石丸電気に行ってどんなアニメや特撮のCDを買おうか選んだ時に目に飛びこんできたのが水木一郎さんの5枚組ベストCDの「熱風伝説」。一万円という中々の値段でしたが、買ってしばらくは毎日部屋でCDを聴きながら小声で歌っていました。

水木一郎さんといえば「マジンガーZ」や「超電磁ロボ コン・バトラーV」に「超人バロム・1」といったシャウトする曲を数多く歌っているイメージが世間では強いと思われますが、私は水木さんのバラードが好きだったりします。かってシャウト系を集めた「OTAKEBI」とバラード系を集めた「SASAYAKI」というベストを出せたのは長年数多くアニメ・特撮ソングを歌ってきた水木さんならではないでしょうか。

そこでで私の好きな水木さんのバラードや落ちついた雰囲気の曲を僭越ながらいくつかご紹介。 

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グレートマジンガーのバラード」

作詞 永井豪  作曲 渡辺宙明

主題歌とエンディング「勇者はマジンガー」しか知らなかったので初めて聴いたとき胸が締めつけられました。作詞は原作の永井豪先生で丁度この頃復刻された冒険王版グレートマジンガーを買っていたので、TVとは違うラストを知ると尚更切なくなります。

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「さすらいの星 ジミー・オリオン」

作詞 保富康午  作曲 渡辺宙明

故郷を失った主人公の境遇と郷愁を描いた歌詞で、スチールギターと男声コーラスが美しい一曲。個人的には2番の歌詞の

母はどんな思いで 生きているだろうか

甘く優しい 思い出がつらい

二度と 二度と 帰れぬ幼い日々よ

仰ぐ星さえ 仰ぐ星さえ にじんでまたたく

が胸に来ます。いつか本編を見てみたい作品です。

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「心に汗を」

作詞 山川啓介  作曲 渡辺岳夫

有名な「ゆけゆけ飛雄馬」、前作「新 巨人の星」のエンディング「よみがえれ飛雄馬」の重厚さとうって変わってさわやかな歌詞とメロディの一曲。作詞は「聖母たちのララバイ」や「時間よ止まれ」、「太陽がくれた季節」などを手掛けた山川啓介さんで青春讃歌を思わせる歌詞です。

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「栄光の彼方へ」

作詞 保富康午  作曲 渡辺宙明

数多くの曲で組んだ渡辺宙明さんとの一曲。イントロに流れるハーモニカは宙明さんの音楽の原点と言える楽器で、前述した「グレートマジンガーのバラード」や他のバラード系の曲で多々使われています。

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「ムーへ飛べ」

作詞 山川啓介  作曲 浜圭介  編曲 羽田健太郎

作詞が前述した山川啓介さんで作曲は演歌系の浜圭介さんに編曲が羽田健太郎さんという豪華な布陣で、水木さんもお気に入りの一曲。晩年TVでも歌っておられましたね。スケールの大きい編曲と優しい歌声が胸に残ります。

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「男は一人道をゆく」

作詞 八手三郎  作曲 京建輔

今も人気が高い変身ヒーロー、 「快傑ズバット」のエンディング。西部劇のような趣きで夕陽を背に馬に跨って次の闘いへ向かうであろう主人公早川健の姿が印象的です。出演していたラジオ番組で水木さん自身が弾き語りで歌ったりしていた事もありました。

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「はるかなる愛にかけて」

作詞 八手三郎  作曲 菊池俊輔

村上弘明さん主演の「仮面ライダー(スカイライダー)」の前半エンディング。哀愁漂う歌詞とメロディが秀逸ですが、作風の変化と強化策の一つなのか後半は「輝け!8人ライダー」に変わります。70年代から80年代へ時代が変わる間のヒーローを巡る状況で少し損をした曲なのかな、なんて思う時があります。

ということでここまで突貫工事と多少の記憶違いで書いてきましたが、改めて水木さんの歌声の熱さだけではなく温かさや切なさの魅力を少しでも伝えればなぁと今回思いのまま思い綴りました。改めて水木一郎さんのご冥福を心よりお祈りいたします。本当にお疲れさまでした、そしてありがとうございました。

本日、ここまで。